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フローリングについての基礎知識
2021.08.04
雑記フローリングにはどんな種類があって、どうやって出来ているのか。使用上の注意はどんな事があるか。知らない方が多いと思いますので、基礎知識をご紹介したいと思います。
●フローリングの構造と種類
一般的にフローリングとは木で出来た床材の事をさします。
「さね」と呼ばれる凸凹がある形状をしており、この凸凹が組み合わさって床に貼られています。
フローリングは大きく「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類に分けられます。
「無垢フローリング」は天然木100%の板で他の木材が混ざっていない、無垢材をフローリングの形に加工した床材のことです。
「複合フローリング」は合板(ベニヤ)などの基材の表面に、化粧材を貼り合わせた床材のことです。
複合フローリングは、表面に木目のプリントがされたシートが貼られた「シートフローリング」と、突板(挽き板)と言って木を薄くスライスしたものが貼られた「突板フローリング」の2つに分けられます。
長い歴史の中でフローリングも進化をしてきました。
昔は木そのもの(無垢材)しかありませんでしたが、無垢材は天然ものの為に節があったりなかったり、時期により生産数や価格に変動があります。
その為、コストの削減と安定した価格と品質の供給を目的として、複合フローリングが作られたと言われています。
無垢フローリングの方が高級感も本物感もありますが、複合フローリングには価格以外にも湿度による膨張や伸縮を抑えられているというメリットもあります。
●マンション用防音フローリング
「直貼り防音フローリング」と呼ばれたりする、フローリングの下にクッションやゴムがついているものです。基本的にこのフローリングはコンクリートの床に専用の接着剤で施工されています。
●床衝撃音と遮音等級
床衝撃音は、スプーン落下などの軽くて硬い「軽量床衝撃音(LL)」と、飛び跳ねた時などの重くて鈍い「重量床衝撃音(LH)」の2つに分けられます。
この、衝撃音の伝わりにくさのレベルを「遮音等級」と言い、「L-数字」で表します。
この数字が小さいほど遮音性能が良い事を示します。
床材の種類は「軽量床衝撃音」の大小に関わる為、フローリングの遮音等級は「LL-数字」で表現されます。
(LL-45やLL-40など)
※重量床衝撃音はコンクリートの厚さや建物の構造が大小に影響を与えます。
●マンションリフォームで注意すること
マンションによっては管理規約・使用細則で、床材の張替を行う場合に「使用して良い床材」や、「遮音等級」が定められている場合があります。
例えば
・異なる床材への変更はダメ。
(カーペット→フローリングは×など)
・フローリングの張替はLL-○○以上の遮音性能を有する床材を使用する事。
・床材張替を行う際は、下階の住戸から書面で同意を得る事。
など
知らずにリフォームをしてしまうと、後で大きなトラブルになってしまう事があります。
リフォームを検討する際には管理規約・使用細則は事前にしっかりと確認をしましょう。
また、フローリングはメーカーやシリーズによって「さね」の形状やサイズが異なる為、部分的に修理や張替をしたくても、同じ材料が手に入らなければ出来ない場合が多くあります。
特にマンションの場合は、一般に販売されているものではなく新築時に特注で製造されている場合もあり、後に同じ材料が手に入らないという事もあります。
その場合はリビングや洋室といった、部屋単位での張替を考えなければいけません。
●普段のお手入れと注意する事
フローリングの普段のお手入れは、基本「乾拭き」もしくは「固く絞った雑巾で拭く」です。
フローリングは木で出来ている為、水には強くありません。水を含むと膨張してしまったり、変色してしまう可能性があります。
水をこぼしてしまった時はなるべくすぐに拭き取る必要があります。
また、フローリングはキャスター付の椅子とは相性が良くありません。フローリングの表面が傷付いてしまい、酷い場合は表面のシートや突き板が剥がれてしまいます。
特に、「直貼り防音フローリング」は裏にクッションが貼られフカフカしている為、キャスター付椅子でゴロゴロとしてしまうと痛みがかなり早いので注意が必要です。
床は生活の中で一番目に触れるところでもあります。
長年私たちの体重を支えてくれているフローリングにも、この機会に目を向けてみて頂ければと思います。